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研修会・講習会

天然ゲル化剤 「寒天」の勉強会を開催して 東京リーダー会

夏に向けて良く使われる食材「寒天」について、伊那食品工業(株)東京支店の菅沼・原両氏を講師にお迎えし、勉強会を開催しました。日本独特の食品で、寒天のもとになる「ところてん」は古く奈良時代から知られ、江戸時代に「天草」を煮溶かして利用した「ところてん」の食べ残しを寒中戸外に捨てておいたところ、寒気で凍り乾物状になったことから、考案されたもので、寒中に製造することから「寒天」と名付けられたようです。

天然ゲル化剤 「寒天」の勉強会を開催して

この寒天の生産は南信州の伊那や諏訪といった、寒くても雪が殆ど降らない地域が適していて、12月から2月にかけて、家庭用として、目で見て分量が計りやすい棒寒天(角寒天)が、農家の副業としてつくられました。自然の気候を利用した伝統的な製法による「糸寒天」「棒寒天(角寒天)」から、年間を通じて安定供給が可能な工業的製法による「粉末寒天」が主流になりました。

糸寒天

関西から南が多く、もともと寒天の製造は京都から始まり、「水ようかん」とか「錦玉」など和菓子に沢山つかわれていました。

原料(表参照)

原料となる海藻(紅藻)は国内だけでなく、世界各地で採取されていて、海藻の種類だけでなく、生育環境や収穫時期の違いが、天然である原料に多様性が出て、結果として物性の異なる沢山の寒天が出来るようになりました。その結果従来の寒天と異なるタイプで煮沸溶解が必要とされる寒天を80℃で完全溶解を可能にした即溶性寒天など出廻るようになりました。

  寒天 カラギナン ゼラチン
原料 海藻(天草、オゴノリ) 海藻(スギノリ、キリンサイ) 牛骨、牛皮、豚皮
製造法 アルカリ処理・加熱抽出 アルカリ処理・加熱抽出 石灰・酸処理・加熱処理
主成分 アガロース・アガロペクチン ガラクトース・アンヒドロガトース コラーゲン・加水分解物
栄養価 なし なし 約340cal
形状 粉末状・棒状・フレーク状・糸状 粉末状 粉末状・板状
ゲルの性状 固いさくいゲルを作る。トコロテン用の粘弾性に富むゲルもできる。 κタイプはさくいゲルを作る。Iタイプは柔らかいゲルを作る。 柔らかい粘りのあるゲルを作る。
分散性 水に容易に分散 砂糖と粉混合必要 水に膨潤させる
溶解性 煮沸溶解。溶解性のよい即溶性寒天もある 80℃以上の熱湯に溶解 50~60℃の湯に溶解
溶解温度 90~100℃ 50℃以上 50~60℃長時間の加熱に注意
溶解方法 水にひたして放置し煮沸溶解する 砂糖または他の粉末と混合させ、水に分散し、80℃以上で加熱溶解する 水に膨潤させ、加熱するか直接温水に入れて溶解する
ゲル化濃度 0.15~0.6%、0.1%以下は粘調液 0.3~1.0%(水、ミルクゲルで異なる) 通常1.5~3.0%
ゲル化時間 常温で速やかにゲル化し安定 常温で可、5~24時間でほぼ安定 20℃以下の冷却が必要16~18時眼でほぼ安定
凝固温度 0.15~0.6%、0.1%以下は粘調液 0.3~1.0%(水、ミルクゲルで異なる) 通常1.5~3.0%
ゲル化濃度 35~45℃ 30~75℃ 18~20℃
熱可逆性 再溶解可能(80~100℃) 再溶解可能凝固温度+5~10℃ 再溶解可能粘劣化注意
耐熱性 あり あり なし
耐酸性 弱(使用方法により酸性で使用可) 弱(使用方法により酸性で使用可) なし
冷凍解凍復元性 よくない(Brix45~50以上よい) 一部よい よくない
耐酸素性 あり あり なし
使用濃度 0.1~1.2% 0.3~1.0% 2~4%
食品添加物表示 食品 食品添加物 食品

主成分

アガロース=中性の多糖類でゲル形成に影響する。
アガロペクチン=酸性の多糖類で粘弾性に影響する。
市販のアガーはカラギナン(海藻)が主原料。

使う時の目安

角寒天一本分が粉寒天4g(小さじ2)

寒天の効能

ノンカロリー。食物繊維が豊富で便通を良くする。

最近の研究から

宝酒造の研究で寒天に含まれる「寒天オリゴ糖(アガロオリゴ糖)にガンを抑える作用があることが発見されました。その他抗酸化作用・抗関節リウマチ、抗関節炎効果など研究が進んでいるそうです。

用途

お菓子類以外に、ハードタイプのヨーグルトなど、食べ物以外に最近の培養地や歯形を取る時の印象剤やDNA鑑定用のシート(アガロース)CTスキャンを取る時などにも利用されています。最近は化粧品や脱臭剤にも使われています。

種々勉強した後、志田リーダーの作った和菓子と、当番が作った「ひじきと寒天サラダ」「韃靼そぼ茶寒天のあずきかけ」をおいしく、楽しく頂き、グループ活動を活かす事で終りました。


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